環境と東洋医学
前回、東洋医学における病気の原因の
うち内因(精神的因子)について記事に
しました。
今回は外因(環境的因子)について書い
ていきます。
季節の変わり目の激しい寒暖の差や、
猛烈な夏の暑さ、冬の寒さなどが身体に
こたえることは、皆が経験的に知るとこ
ろです。
東洋医学でも、気候は病気の原因になる
と考えられています。
風・寒・暑・湿・燥・火の6つは季節の
移り変わりにともなって環境に現れる
自然の要素ですが、虚弱な人は通常の
気象の変化にも体調を左右されることが
あります。
また異常気象の際には、カゼの流行や
熱中症の大量発生など、普段健康な人
でも体調を崩すことが多くなります。
このようなとき、風・寒・暑・湿・燥・
火の6つの要素は”六淫の邪”と呼ばれる
病の原因に変化してしまいます。
風邪は”百病の長”といわれ、年間を
通じて現れて他の邪気と一緒に人体に
侵入しやすいという特徴があります。
寒邪は冷えと痛み、こわばりなどを引き
起こす邪気で夏の冷房から受けることも
あります。
暑邪は意識障害やひどい発汗などを引き
起こす熱の邪気。厨房での仕事などで
受けてしまう人もいます。
湿邪は身体の重だるさや臭い体臭などを
引き起こす湿気の邪気。身体から追い
出すのが難しいといわれています。湿地
や埋立地に住むことで湿邪を受けてしま
うこともあります。
燥邪は皮膚や粘膜を乾燥させる乾きの
邪気。呼吸器や肺を傷つけることが多い
です。
火邪は強い熱の邪気で、高熱、昏睡、
痙攣、鼻血や吐血、腫瘍などを引き起こ
すといわれています。
六淫の邪のほかに、伝染病も外因に含ま
れます。
過酷な環境や気候の変動に負けないよう、
不摂生を戒めて体力を維持しておきたい
ものですね。
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