顔面神経麻痺について
顔面神経麻痺の治療で鍼灸院を訪れる方も
少なくありません。
顔面神経とは、脳に始まり頭蓋骨を出て末梢
に分布する12本の”脳神経”の内の7番目の
神経です。
顔の表情を作っている筋肉の運動や、舌の前
3分の2の味覚、涙や唾液の分泌を担って
います。
顔面神経麻痺はある日突然発症し、多くは
左右どちらか半分のお顔の筋肉がうまく動か
せなくなります。
片方の目が閉じられないとか、笑った時に
片方の口角だけ持ち上がらない、水を飲もう
とすると片方の口の端からこぼれてしまう、
といったことで発覚することが多いです。
原因は様々ですが、さしたる要因もなく発症
することもあるようです。
お顔が冷たい風に長時間当たっていたとか、
神経の圧迫、ウイルス感染による神経の腫れ
などが考えられ、原因がはっきりしないもの
をベル麻痺、ウイルス感染のものをハント
症候群と呼んだりします。
いずれにしても日常生活に支障が出ますし、
お顔の印象が変わってしまうため人前に出た
くなくなるなどの精神的痛手にもつながって
しまいます。
このような症状がありましたら、まずは
耳鼻咽喉科でも神経内科でも構いませんので
間髪入れず病院に行ってください。
時間が経てば経つほど治りづらくなる疾患で
第一選択は薬による治療となります。
それでも治りきらず、頬に重だるさや感覚の
鈍さをずっと抱えているというような方には
鍼灸治療がお手伝いできるかもしれません。
末梢性の顔面神経麻痺に対して、神経の循環
を改善させる鍼灸治療をすることで回復を
促し、麻痺側の表情筋の萎縮を防ぐ効果も
期待できます。
神経のダメージが大きい場合や発症から時間
が経っている場合には改善が難しいことも
ありますが、日常をより良く過ごすため、
鍼灸という選択肢があることもぜひ覚えて
おいてください。
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