夏至と陰陽
男性が陽なら女性は陰である、などの
言い回しを、聞いたことがある方も
おられるかもしれません。
古代中国に生まれた陰陽論という哲学
があります。
天地開闢のとき混沌が陽と陰に分かれ、
天と地になりました。
以来、森羅万象のありとあらゆる事物は
陰と陽の相反する二つのカテゴリに分類
できると考えられています。
上→陽 下→陰
左→陽 右→陰
火→陽 水→陰
表→陽 裏→陰
頭→陽 足→陰
背→陽 腹→陰
気→陽 血→陰 ……
このように無限に表を作っていくことが
出来るのですが、陰陽の概念とは絶対的
固定的なものではありません。
上がなければ下がなく、左がなければ右
もないように、相反するものと比べた
ときに陰または陽であるとする相対的な
概念となっています。
また上もさらに上部と比べると下になる
ように、陽の中にも陰を含み、陰の中に
も陽を含んでいると考えています。
季節によって昼が長くなれは夜は短く
なりますが、陰陽も静止した不変のもの
ではなく、絶えず揺れ動いてバランスを
とっています。
陰や陽が極大になると、それを境にして
反対の属性に転化することもあります。
今年は6月21日に夏至となります。
夏至は一年のうちで自然界の陽の気が
最も大きくなるときで、これを境に陽が
減り陰が増す状態に転化します。
このような変化は無論人体にも影響を
及ぼしていて、陰陽が転化する不安定な
ときである夏至や冬至には、病気の発症
や亡くなる人が増えるといわれています。
普段からほてりがあったり、のぼせ
やすい方、頭に血がのぼりやすい方など
にとっては夏至は少し辛い時期かもしれ
ません。
旬の夏野菜や果物を摂ったり、水に甘酸
っぱい柑橘類の風味をつけて少しずつ
飲むと陰を補うことができ、バランスが
整いやすくなります。
強い冷房や冷たいものの食べ過ぎは身体
を弱らせてしまいますので控えてくださ
いね。
夏至に向けての体調管理にお役立てくだ
さい。
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