舌を診てみよう
東洋医学の診断法で”舌診”というもの
があります。
舌の色や形状、舌の上の苔の色や厚さ、
舌の裏の血管の怒張ぐあいなどを診て、
体調や、邪気の種類、病状の進行具合
などを客観的に判断するものです。
舌を診るときは、なるべく太陽光のもと
で診るのが望ましいといわれています。
着色料を含む食品を食べたあとや、歯ブ
ラシなどで舌を掃除したあとは、判断を
誤ってしまうので、舌を診ることは避け
ます。
ゆったりとした姿勢で舌を出して、観察
してみましょう。
健康な人の舌は、淡紅色(血色の良い薄
ピンク色)といわれます。
大きすぎず、痩せすぎず、柔軟で自由に
動きます。
舌の上は適度に潤い、白っぽい苔が薄く
乗っています。
この状態より、舌に赤みが強ければ、
身体に熱があることを示しています。
白っぽければ気血の不足、どす黒くなっ
ていたら瘀血(血の巡りの悪さ)がある
かもしれません。
口の大きさに対して、舌がボテッと大き
く、ふちに歯形がついていたら、気虚
(エネルギー不足)や痰飲(水の滞り)
を疑います。
逆に、舌が赤く、痩せて亀裂のような
ものがあり、苔がまったくなかったら、
陰虚(体液の不足)かもしれません。
舌苔は、色が黄色ければ熱を表わし、
白ければ冷えを表わします。
苔がべったりと厚ければ、病邪の勢いが
強いことを示しています。
ここでいう熱や冷えは、体温計で計測
することのできる体温とは異なり、東洋
医学の概念によるものです。
少し難しいでしょうか。
舌は前日の飲食の傾向や、今の体調を
反映して毎日変化しています。
基準となる”健康な人の舌”がよくわから
ないかもしれませんが、毎日同じ明りの
もとで、そのときの体調と重ね合わせな
がら観察してみてください。
「今日はあまり疲れを感じない。舌を
診てみたら、きれいなピンク色をして
いるし、昨日まであった厚い苔がなく
なっている。体調がいいんだな」
こんなふうに、徐々にわかるように
なると思います。
ふだん無理をし過ぎている方や、生活
習慣を改善したいと考えている方は、
体調を客観的に把握するツールとして
活用してみてはいかがでしょうか。
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