水の摂り方
1日に成人が必要とする水分は、約2.5
ℓといわれています。
必要量のうちの1ℓほどは食事から摂る
ことができると考えられており、加えて
細胞のエネルギー代謝によって体内で
新しく産生される水が300mℓほどある
ので、飲み水としては、約1.2ℓくらい
を摂る必要があると考えられています。
これはおおまかな目安です。
厳密には年齢や体重、活動レベル、体温
などによって、必要な水分量は変わって
きます。
また、和食中心の食事とパン食などでは
食事から摂ることのできる水分量に違い
が出てきます。
必要量とは別に、健康法として水をたく
さん飲んでいらっしゃる方もいれば、
トイレが近くなるなどの理由で、水分摂
取を控えておられる方もいらっしゃいま
すね。
ある個人に対して「このように水分摂取
してください」と、量や頻度を決めてし
まうのは難しいことです。
とはいえ、水分は、足りなすぎれば脱水
の危険があり、過剰すぎれば水中毒に
なる恐れもあります。
水の摂り方は、身近でありながら、生命
維持や健康に直結する生活習慣なのです。
喉の渇き具合を指標にして、そのときの
体調と相談しながら、個人にぴったり
合う水分の摂り方を習慣にしたいもので
すね。
基本的には、冷水より常温の水を、一気
に飲むよりはこまめに、補給することが
推奨されています。
お薦めできないのは、お酒を飲んで水分
を摂ったつもりになることです。
アルコールの中に含まれる有害物質を
体外に排出するために水分が使われてし
まい、また利尿作用もあるため、むしろ
お酒の飲み過ぎは脱水を招くこともある
そうです。
ほかには、健康法として水を1日に2ℓ
以上飲む方がいますが、高温多湿の場所
での労働や運動、ホットヨガなどでたく
さん汗をかく状況でもなければ、医療的
には多すぎると考えられるようです。
1日の排尿回数は5~7回、尿量は1~
1.5ℓ程度が標準であるといわれていま
す。
もし多飲によって尿量が異常に多くなっ
ているようなことがありましたら、腎臓
の負担を考えて、水分の摂り方を改善す
る必要があるかもしれません。
東洋医学では、身体に必要な体液のこと
を“津液(しんえき)”といいます。
津液が不足すると、陰虚証という病理に
発展することがあり、ほてり感や微熱、
不眠、口の乾きなどの症状があらわれま
す。
津液が過剰に溜まったり、流れが悪く
なると、痰飲証という病理になり、重だ
るい痛みや、むくみなどを発症する可能
性があります。
陰虚証、痰飲証の両方とも、喉が渇いて
水を飲もうとしても、なかなか水が喉を
下りていかず、コップ一杯を飲みきれず
に残してしまう、というような症状が出
たりします。
水をゴクゴク飲めない…という方は、
体質改善が必要かもしれません。
ぜひご相談ください。
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