早めに花粉症対策を
雪も降り寒い日々が続いていますが、
このところ早くも花粉症の症状が出て
きたというお話しをお伺いするように
なりました。
オミクロン株によるカゼに似た症状の
上気道感染症が蔓延しているなかでも
あり、今春の花粉の量が少ないことを
祈るばかりです。
花粉症は、目や鼻の粘膜や皮膚に炎症
症状が出やすいですが、目や鼻の疾患
ではなく、花粉に免疫が過剰反応する
体質による全身疾患です。
とりあえず毎年春につらいアレルギー
症状でお困りの方は、症状軽減のため
にできることを、早い時期からやって
おきましょう。
体質を変化させるのには時間がかかる
ため、養生は、来たる季節に先駆けて
始めると成功しやすいですよ。
まずは腸内環境の改善を試みてみませ
んか。
免疫細胞の約7割は、腸に存在すると
いわれています。
免疫機能が正常に働くためには、腸内
細菌のバランスを良好にたもつ必要が
あります。
アレルギー体質の患者さんの腸内細菌
を調べると、短鎖脂肪酸を産生する善
玉菌が減少していたり、細菌の多様性
が乏しかったり、悪玉菌が多かったり
するそうです。
免疫をつかさどるリンパ球には、免疫
を強める役割ものと抑える役割のもの
の両方がありますが、アレルギー体質
の方は、免疫を抑えるほうのリンパ球
Treg(制御性T細胞、ティーレグ)が
少ないと考えられています。
Tregを増やせばアレルギーを抑える
ことができるかもしれませんが、これ
を増やすには、酪酸菌という善玉菌が
腸内でつくる、酪酸という物質が必要
だそうです。
そこで、酪酸菌を含む食品を摂りたい
と思うわけですが、そのような食品は
少なく、中国や台湾で食べられている
臭豆腐や、ぬか漬けくらいしかないと
いわれています。
つまり酪酸菌を腸内で増やすためには
腸内にすでに住んでいる酪酸菌のエサ
となるものを積極的に摂って、育てて
いくことがお薦めなのです。
酪酸菌のエサになる食品は、
・発酵食品
・海藻
・野菜
・キノコ
・果物
などがあります。
酪酸菌は乳酸菌やビフィズス菌が産生
する乳酸や、水溶性食物繊維をエサと
しています。
日本人の多くは、食物繊維の摂取量が
足りていないといわれていますから、
酪酸菌を増やすには、気をつけて毎日
上記のような食品をたっぷり摂る必要
があります。
乳製品が苦手な方は、無理にヨーグル
トなどを摂る必要はありません。
漬物、納豆、味噌、甘酒など、多様な
発酵食品を利用して、ご自身の体質に
合った良好な腸内細菌叢を構築してく
ださい。
酒、白砂糖、脂質の摂りすぎは善玉菌
を減らしてしまうので、体質改善中は
量に気をつけましょう。
食生活の改善だけでなく、運動も腸内
の酪酸菌を増やすのに効果的です。
息が上がるようなやや強度の高い運動
を、30~60分間、週に3回を6週間、
続けて行うことで酪酸菌が増えること
が報告されているそうです。
今年こそ花粉症をなんとかしたい、
アレルギー体質を改善したい、という
方は、ストレスにならない程度に腸活
や運動を、今から始めてみてはいかが
でしょうか。
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